認知症カフェ

『認知症カフェ』とは

認知症カフェとは、2012年から普及が始まった国の認知症施策の一つで、『カフェ』という自由な雰囲気のなかで、認知症の人とその家族を支援することを目的に誕生した、新しいコミュニティの形です。
利用者を限定せず、認知症の当事者、その家族、地域住民、介護や医療の専門職など様々な方が集い、認知症の人や家族の悩みを共有し合いながら、専門職に相談もできる場所となっています。
2015年に国が「認知症施策推進総合戦略(通称『新オレンジプラン』)」の中心施策の一つとして位置づけたこともあり、全国で急激にその数が増えており、当施設のある千葉市でも2018年迄に31か所で開催されています。そのうち美浜区では5カ所で開催されており、当施設は2019年度から開催するにあたり6カ所目となります。

認知症カフェで行われていること

しょうじゅレジデンスの認知症カフェは、月に数回ゆったりと開かれる、地域の皆さまとご利用者様が気軽に集える小さな交流イベントです。一般的なカフェ営業とは異なり、認知症の方やご家族が安心して過ごせる“ほっとできる居場所”として親しまれています。

スタート当初は、ハーバリウム作りやパステル画、お薬手帳カバー作りなど、ハンドメイドを中心としたものづくりの時間を楽しんでいただいていました。回を重ねるうちに参加者の輪が広がり、現在ではロビーのピアノを使ったコンサート、ダンスやよさこい、和太鼓、ゴスペル、フォークギター演奏、マジックショーなど、多彩なイベントへと発展しています。月に一度の開催を心待ちにしてくださる方も増え、自然と笑顔が集まる温かな場になりました。

これからも地域とご利用者様をつなぐ大切な交流の場として、「ご家族の相談の場」「憩いの場」「癒しの場」という認知症カフェ本来の役割を大切にしながら、より豊かな時間をお届けしていきたいと考えています。

開催の様子

第1回 認知症カフェ ・ ワークショップ 「ハーバリウム作り」

『ハーバリウム』とは、ガラス瓶の中にプリザーブドフラワーやドライフラワー等、乾燥処理をした植物を入れ、アルコールや防腐剤などに浸して保存したものです。場所を選ばずに飾れることや、水やり等の手間がないこと、長期間鑑賞ができること等から、最近注目を集めています。
このワークショップを通じて、ご自身の『できる事』『できない事』の理解を深めるだけでなく、製作中の会話や行動によって相互理解につなげていきました。

第2回 認知症カフェ ・ ワークショップ 「パステル画」

「日本パステルホープアート協会」インストラクターの中根富美代先生をお招きしての開催となりました。
パステルの持つ優しい色合いにはリラックス効果や集中力を高める力があるといわれており、『芸術療法』の1つとして用いられています。
参加された方の多くが「パステル画初挑戦」でしたが、挑戦することへの意欲や完成した時の充実感をしっかり感じて頂けたひと時となりました。

第3回 認知症カフェ ・ ワークショップ 「お薬手帳カバー作り」

裁縫は認知症予防や維持に良いといわれている知的活動の一つで、指先を動かすことで脳の血流量が増えるそうです。更に、これまでの生活歴や特技を生かし、「作品」という成果を残すこともできます。
参加された方からは、「以前は趣味で色々作っていたけれど、最近はご無沙汰だった。久しぶりに針を動かせて、とっても楽しい」という話が聞かれ、新たな『いきがい』作りの一助となれた可能性も感じました。

『認知症カフェ』の持つ意義

認知症カフェは認知症の方だけが利用されるのではなく、地域の方々の参加も重要になります。
認知症の方が住み慣れた地域の中で生活を継続していくためには、ご本人様と周りの方との相互理解が重要な要素となります。それを培う場所の1つとして『認知症カフェ』があります。
また、『認知症カフェ』はご家族様の参加も大事な要素です。
近親者の方が見せる「認知症の症状」について、何を悩んでいるのか、どう対処しているのかを他者に話すことがひいては情報の共有につながったり、心理的な不安の軽減にもつながります。『認知症カフェ』には、介護スタッフも同席していますので、心強い相談役に出会えるかもしれません。
当施設では、様々なワークショップを通して、認知症の方の「できること」「できないこと」への理解からスタートします。併せて、製作中の会話や行動を繰り返しながら、相互理解へとつなげていきます。